作家の特集一覧へ
ciito イメージ画像
ciito ロゴ画像

糸の集まりから生まれるアクセサリーブランド「ciito 糸糸 しいと」。
糸玉の風合いや鮮やかな彩りには、貴金属や天然石とは異なる優しい魅力があります。 糸と糸の重なりの中にやさしい物語を描くように『糸にまつわるモノづくり』をご紹介します。

ciito 丹生淳子さん インタビュー画像1

ciito 丹生淳子(にぶじゅんこ)さんにお話しをお伺いしました。

--- まずは、学生時代についてお聞かせください。

武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科ファッションコースを卒業しましたが、洋服のパターンを技術的に学ぶというよりは、衣服を通して何かを表現するという、わりと自由度の高いコースでした。
小さい頃から、工作とか塗り絵とか自分の手を使って何か作るのは好きだったので、高校で進路を考えていた頃には漠然とですが「浴衣のデザインをしてみたいな。」との思いがあり、美大で学ぶことにしました。

それから、ひびのこづえさんが好きでしたね。当時、求人情報誌の表紙コスチュームを手がけられていたのですが、布と色を使って生み出されるひびのさんの世界観がとても好きでした。そこから受けた影響も自分にとっては大きかったと思います。

大学の前半では洋服っぽいものを制作していたのですが、シルクスクリーンを用いた作品制作に夢中になりました。シルクスクリーンは色や柄を平面的に表現できるので、それがとても魅力的でした。
卒業制作では「着ることのできる図鑑」をコンセプトにした作品を発表しました。一冊の本のページをめくると、それぞれのページのデザインはTシャツの柄になっていて、そのTシャツは本から着脱できるというものです。

--- 面白いコンセプトですね!ご自身が技術を使って手を動かすというだけではなく、それを使ってどのような表現をしていくか、という面をその頃からお持ちだったのですね。

確かにそうかもしれません。技術を高めるのはもちろんなのですが、それ以上にまず表現したいものや世界観があって、ではそれをカタチにするためにはどうやって自分の持っている技術を使うか、ということにとても惹かれていました。ciitoとしての活動にも、その想いは常にあります。ひびのこづえさんの作品が好きなのもそういう理由だったのでしょうね。

--- 大学卒業後は、どのような道を歩まれたのでしょうか。

卒業後は、教育玩具雑貨を取り扱うお店に勤務したのですが、もう少しテキスタイルを学びたいと思い、夜間の専門学校に通いました。
その後、縁あってアパレル会社の製作部門に転職し、10年ほど在職していたのですが、デザインをしつつ生産工場とやりとりをして、仕上がりなどの製品管理を担当していました。ですが、だんだんと自分の手を動かしたくなってきて(笑)、刺繍教室に通い始めました。仕事でワッペン製作に携わるような機会もあったので、糸に興味を持ち始めたんです。

--- なるほど。だんだんと、ciitoに近づいてきましたね。刺繍の魅力を教えてください。

細い「線」である糸がまとまって「面」になって、その面同士が隣り合って「色」を見せていく…という表現にはまりました。自ら手を動かして作りつつ、色や柄を組み合わせたデザインを平面で表現していくという刺繍の世界がとても魅力的でした。じゃあ、刺繍の全てのテクニックをマスターしたのかというと、そうでもなくて。なんて言ったらいいのでしょう…ステッチの技術が難しくなればなるほど、それを用いて作品をつくると手芸っぽくなっていくんです。 それはそれで可愛いとも思うのですが、私は手芸や趣味の世界ではないもう少しシュッとしたものを作りたかったんですね。なので、技術的なことはある程度まで覚えたので、じゃあそれを使って何をどんな風に作ろうかと考えるようになりました。

ciito 丹生淳子さん インタビュー画像2
ciito 丹生淳子さん インタビュー画像3

--- そこから糸を素材にしたアクセサリーを制作していこうと思ったきっかけは何かあったのでしょうか。

ある日刺繍教室で、巻き玉を作るワークショップがあって面白そうだからと参加してみました。その時はタッセルを作ったのですが、それを小さくしてアクセサリーにしたら良いかもと思ったのが、最初です。 実際に作ってみたら、周りの友人たちから広まり、さらにお店をやっている友人から「お店で販売したい」と声をかけて頂くようになりました。そのような経緯から会社勤めをしつつ作家活動もするというような時期を3年間くらい続けました。

--- 販売当初から、ciitoというブランドを立ち上げたのでしょうか。

はい、それはスタートから。アクセサリーに用いている刺繍糸やパーツなど、実際にはオリジナル素材ではないので、ともすると真似されてしまう恐れがあります。だからこそ、制作技術はもちろんのこと、制作コンセプトやブランドイメージ、ブランドビジュアルをしっかりつくらなければと思っていました。アパレル会社で勤務していたのでその辺りの重要性は感じていたのだと思います。
糸という優しい素材を用いているのと、やはり全て一点ずつ手作業で作っているので、「手あと」は残しつつも、プロダクトとしての完成度の高さは大事だと思っています。企業で生産管理をしていたということもあり、「美しく安定した仕上がり」ということの重要性は身に染みて感じています。 ですから、そういった意味では自分はアーティストというよりも、デザイナーと職人のあいだという立ち位置の方がしっくりきます。

--- ものをつくる人と、それを使ってどのようなデザインや表現をしていくか、という2つの面を兼ね備えた絶妙なバランスで「ciito」が成り立っているんですね。今後、ciitoでやりたいことなどあれば教えてください。

ciito=糸糸(しいと)と読ませています。コンセプトは「糸にまつわるモノづくり」。糸の集まりによって生まれる彩り鮮やかな色を使った手仕事を届けたいと思っています。 イメージとしては、現在展開しているアクセサリーはciitoのプロダクトライン。今後は、一点物のような「作品」を展開するラインなども立ち上げながら、「糸」が「面」になって「色」になる美しさを表現していけたらと思っています。また糸や色をモチーフにしながらも、別の素材での制作にも興味があります。

ciito ラインナップ タイトル画像
制作風景1制作風景2制作風景3

2003年 武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科ファッションコース卒業
卒業後大塚テキスタイル学院にてプリンティングを学んだ後、株式会社ビームス勤務
2012年からciitoとして、糸にまつわるモノづくりをスタート

糸という身近な素材のアクセサリーですから、気軽にどんどん身に着けて頂けると嬉しいです。
お直しも承っているので、そういったことも利用しながら、ずっと使って頂きたいです。

ページのトップへ戻る