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sorte glass jewelry イメージ画像

1100℃の高温で溶かされたガラスは一瞬一瞬に形を変え、割れたガラスの断面は輝きを放ちます。
その一瞬の出会いを大切に、sorte glass jewelryは生まれます。

素材そのものが持つ美しさとそれを引き立たせるデザイン。
ガラスという素材だからこそ見える姿をジュエリーにとじ込めて、光を宿しキラキラと輝くガラスのアクセサリーをご紹介します。

兵庫県篠山市で活動するユニット「sorte glass jewelry」の関野ゆうこさんにお話しを伺いました。

中学時代から美術が好きで、高校もそういったものが学べそうなところを選んだのですが、周りの同級生たちがもっとすごくて…いわゆる「挫折」です(笑)。

ですが「デザイン」というもの自体はとても面白かったので、自分は「平面」じゃないのかもしれないな、という思いはありました。

ガラスは小さい時から好きで、お祭りで売っているようなトンボ玉とかビー玉を集めているような子どもでした。そうそう、ビー玉を熱して水にジャボンってつけると、ビー玉の中にクラック(亀裂)が入るのですがそれがキラキラして、とても綺麗だなと。 当時からガラスの魅力に魅せられていた部分はありますね。

高校の時にイタリアに10日間の研修に行ける機会があったのですが、その時に美術館・博物館・教会などたくさんの場所や作品を見て回りました。 ヴェネツィアンガラスやステンドグラスをたくさん目にして、ガラスの美しさにとても魅了されました。
色々と迷いながらも、大阪芸術大学の工芸学科でガラスを学ぶ道を選んだというわけです。

デザインやアイデアはまず私(関野ゆうこ)が出しており、溶けたガラスを形にする試作を彼(関野亮)にお願いしています。商品化しているものを数量まとめて制作する際は、二人で共同制作します。

吹きガラスは、一人で全部できるようになるまでに長い時間がかかりますし、センスも重要です。 工具を使いこなせるようになることはもちろん、作業中のガラスの温度管理も重要で、ガラスが今どれくらいまで溶けていてあとどれくらいまで熱をかけて柔らかくすれば、作業ができるか…というのを体感として覚えておく必要もあります。 動かしながら形作っていくので見極める動体視力や、さらにはガラスには直に触ることができないので自分の脳や感覚に結び付けないといけない。それは、頭で覚えるというよりも体で覚えるというものに近いんです。
スポーツに似ていると思います。スポーツの要素プラス、芸術的要素。

今のスタジオは周りにとても自然が広がっています。都会にいると情報量が本当に多くて刺激もたくさんあるのですが、その中には無駄な刺激もあって。

山の中の生活は外的な刺激がとても少ないですが、その分自然から感じる、受け取るものは多いです。入ってくるものが少なくなった分、研ぎ澄まされるようになってきたと思います。 そういう意味では、今の場所に自分たちのスタジオを立ち上げたことで、作品への向き合い方も変わってきたと思います。

彼には、私がジュエリーで「こういうものを作りたい」と思うことをすぐに具現化できる高い技術があります。 手(技術)はあるけれど頭(アイデア)が追いつかない、またはその逆、というようなことがsorte glass jewelryではほとんどありません。 「やりたいのにできない」というフラストレーションがなく、意見を出し合いながらトライ&エラーができるので、制作する上ではとてもスムーズです。
良いものができたときにそれを共有できる相手がいるというのが、素敵なことだなと思います。

スタジオを立ち上げて始めてすぐに機材が壊れてしまったり、電力のトラブルなど、吹きガラスの重要な工程である熔解がしばらくできなくなってしまった時期があり、 その時にスタジオ内に制作の工程途中でできた棒状のガラスと、以前人から譲り受けた金彩をするときの材料があって、これで何か作れないだろうかと、ガラスに金彩を施したのが始まりです。

地元のマルシェでアクセサリーをお披露目してみたところ、とても好評だったので、ガラス作品の入口がジュエリーから広がることもあるのだ、ということを知ることができました。

いわゆるギャラリーや画廊のようなところではお会いすることがなかったかもしれないお客様に、もっともっとガラスの持つ美しさが伝われば良いなと思いながらジュエリーを制作しています。

一般的なガラスのイメージって「つるっとしていて透明で透き通っている」というようなものだと思うのですが、ガラスにはたくさんの表情があって、クラックや断面、見る角度で全然違う雰囲気が生まれます。 ですから、できたガラスの美しい表情の部分を見い出してあげてそこが一番輝くような見せ方と、身に着けたときに安全な処理と細工を施して、ジュエリーに仕上げるように努めています。
さらに、「作為と無作為」「潔さ」を大切にしています。素材そのものが持つ偶然性もデザインされた美しさも、それぞれを併せ持った作品が生み出せたらと思っています。

また、ものを制作するというだけでなく、どのようなデザインのアイテムがあったら良いのかとか、どのようなパッケージやロゴデザインがあると総合的にブランドとしての価値が高まるか…というようなことは常々考えています。
ジュエリーは特に、作品が素晴らしくてもそれが伝わりづらい部分があります。

私自身「sorte glass jewelry」をやってみて気づいたことでもあるのですが、 初めは自分でタグを印刷して商品につけて…というようなこともしていましたが、やはりデザイナーさんに入ってもらって、カタログやパッケージに至るまできっちり固めていったことでブランドの世界観を作ることができました。

sorte glass jewelry Lineup

2ガラス作家 関野亮、関野ゆうこが運営するガラス工房「SORTE GLASS」のジュエリーブランド。

sorteはイタリア語で「運命」や「未来」という意味を持ちます。「sorte glass jewelryを身につけたあなたに、たくさんの出会いを」という想いを込めて制作しています。

関野 ゆうこ / Yuko Sekino

1985年
大阪に生まれる
2004年
大阪市立工芸高等学校 ビジュアルデザイン科 卒業
2008年
大阪芸術大学 芸術学部 工芸学科 ガラス工芸コース 卒業
2008~2009年
fresco(辻野剛氏の吹きガラス工房)アシスタント
2009~2012年
海外のグラスアーティストが講師を務めるワークショップに多数参加
アメリカへ渡航し、現在のガラスのマーケットについて見識を広める
2012~現在
吹きガラス工房「SORTE GLASS」を立ち上げる
ジュエリーブランド「sorte glass jewelry」を立ち上げる
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