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vivo stained glass works

日々の暮らしにナチュラルに取り入れることができるステンドグラスを制作する、デザイナー羽田桜の「vivo stained glass works」。 音楽用語で「いきいきと」という意味を持つvivo(ビーボ)という名前のとおり、自然物のエネルギーや活力、その美しさへの憧れが作品に投影されたような、有機的な柔らかさが魅力です。 ステンドグラスに差し込む光と、映し出される影。一日の流れや季節を日々映し出してくれるでしょう。

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--- 「光と影」ガラスの魅力

ガラスの魅力は、断然「影」です。ステンドグラス本体よりも、そこに差し込む光。そして、その光がガラスを通して映し出す影。ステンドグラスに入ってくる光の見え方以上に「どうやって影が落ちるか」を意識して作品を制作しています。
例えば、バードシリーズやリーフシリーズも、壁から5㎝くらい離して飾って頂くと、そこに影ができてとても綺麗なんですよ。他にもあえてカーテンの向こう側に飾ってみると、カーテンが風で揺れるたびにバードやリーフの影が大きくなったり小さくなったり。ガラスの柄も本体のそれとは違って映し出されるので、本当に見ていて飽きないんです。

--- アンティークなものに囲まれ育った幼少時代

母は元々イラストレーターでした。父は会社員勤めでしたが、大工仕事が大好きで家をどんどん増築しちゃうような人です。
埼玉県の狭山市出身なのですが、そのあたり一帯「米軍ハウス」と呼ばれた場所に住んでいました。元々米軍基地や居住地があり、日本に返還された1960年代以降、残された住宅地のユニークな環境に興味を持ったミュージシャンやデザイナー、アーティスト達が次第に住むようになり、一種のコミューンが形成されていったんです。
母はそこで、アメリカや東欧で買い付けたアンティーク雑貨の販売と喫茶を兼ねた「BRIKIKKA(ブリキッカ)」というお店を今もやっています。
小さい頃から、ブリキやガラスのアンティーク雑貨をに囲まれていたので、時間を経過したものに魅力を感じていったのだと思います。

--- 日々の生活の中に溶け込むステンドグラス

学生時代にスペインへ行く機会があり、そこで日本との文化の違いや、生活、モノづくりの様式の違いに触れて色々なことをもっと知るためには海外に出てみるのが必要だなと思ったんです。留学先はイギリスのロンドンを選んだのですが、まずは語学を学びながらアートスクールに通いました。 その後、美大でグラフィックを学びながらも、自分がアートを学ぶとき何を楽しめるのか、その種類の中で何があっているのか、それを探っていたような時期でもありました。

美大では、パソコンを使って毎日デザインを描いていたのですが、画面上ではなく実際に手を動かすモノづくりがしたい、平面じゃなくて立体のものを作りたい、という思いが強くなってきてしまい…、結局卒業を待たず、日本へ帰国。 そこからもう一度自分自身とじっくり向き合って、自分のやりたいモノづくりを考えたときに、「透明なもの」で何かを作りたいな、と思い、そこから「ガラス」という素材に興味を持ちました。

いわゆる「ステンドグラス作品」って、アールヌーボー様式のランプや海外の寺院にあるような宗教画・装飾画のようなものばかりで、、でも私が作りたいのはもっと抽象的なデザインで、普段の暮らしの中で飾れるようなものだったんです。当時色々調べていた時、そういったものを手掛けている人がいないことに気づき、やるならこれだ!と思いました。
ロンドンのアートスクールに通っていた時によく言われたことなのですが、「日本人はデッサン力は格段に優れているのに、『何を生み出すか』というアイデア力が乏しいよね」と。そういったことも頭の中にあったのだと思います。

私が作る作品で、ステンドグラスが持たれているイメージを変えたいと思っています。今でも「ステンドグラスをやっています」と言うのに少し抵抗があるくらいなのですが、変な高級感やデコラティブなイメージを変える作品を作っていきたいです。

--- ナチュラルな美しさに憧れて

自然物に憧れがあり、鳥や昆虫の羽の色柄、ひとつとして同じ緑色がないんじゃないかとも思える葉の色。自然物は長い時間経過の中で形も色も淘汰されていて、そこに美しさがあります。そしてそれらはいつかまた自然(土)に還る。元々砂の中にあるものがガラスの原材料ではありますが、ガラス自体は自然に還っていく物体ではありません。けれどもそのガラスを使って、少しでも自然物に近い作品が作れたらなと思っています。

一般的なステンドグラスに使われているガラスは、鮮やかな赤・オレンジ・青等が多いのですが、私の作品ではできるだけナチュラルな感じにしたいので、選ぶガラスもスモーキーな色味のものを選んでいます。
少し遊びがあって崩れていた方が面白いので、例えばハンダ部分もまっすぐ均一的な太さである必要はなく、その中に有機的な揺らぎや柔らかい雰囲気があるのではないかと思います。

--- これからも「いきいきと」表現し続けたい

植物が好きでたくさん育てているのですが、彼らを毎日見ていると循環していることがよく分かります。大きく葉を作り、花や実をつけ、しばらくすると土の中に落ちる。するとまたその土から新しい芽を出して…というように。そこには時間の経過があるし、それらは朽ちても美しい。そんな美しく流れた時間を暮らしの中で感じていたいですし、そういった作品を創作していきたいです。

ブランド名にしている「vivo(ビーボ)」とは、音楽用語で「いきいきと」といったような意味があります。自然物のエネルギーや活力のようなものを自身の作品に投影したいです。何より、自分自身がいきいきと創作活動を続けていきたいと思っています。

制作風景 タイトル画像

1.ノートには、今まで制作したもの・これから制作したいもののデザイン画がたくさん書きためられている。

2.内装や空間の制作依頼があると、光の感じやガラスの濃淡を出すために、色鉛筆でイメージデザインを描く。

3.虫や鳥の羽、貝殻、石など色合いも形も淘汰されて極まっている。自分の作品づくりもそこを目指しているのかもしれない。

4.vivoのステンドグラスは、隣り合ったガラスの色味に違和感がない。自然の色合いにとても近い。ガラスは、主に海外のメーカーのもを取り寄せている。

5.デザインを型紙に起こし、それぞれのブロックのカタチに合わせてガラスに線を描く。その線にあわせガラスカッターでガラスにキズを入れ、ガラスを割っていく。

6.カットしたガラスの周囲にコパーテープ(銅製のテープ)を巻き、ヘラでテープの中の気泡を抜いていく。

7.このようにひとつずつパーツを作り、並べてみても色合いがなんとなくイメージと違う…ということも。その場合は、改めてそこに合うようなガラスを選び直す。
デザイン画がもっとも重要で、その時点でどこまで完成イメージに近づけるかに時間を要している。制作を始めると集中して一気に作っていくことが多い。

8.全てのパーツを作ったら、ハンダ付け。鉛で溶接していくので、換気は欠かせない。

羽田 桜 プロフィール イメージ画像
vivo stained glass works 羽田 桜 タイトル画像
1980年
東京生まれ
1999~2000年
Camberwell college of Art&Design(foundation) London.UK
2000~2002年
Central st martin's college)BA graphic design) London.UK

イギリスの美術大学ではグラフィックデザインを専攻。
帰国後ふとしたきっかけでガラスの透明感に魅了されステンドグラスを独学で始める。
イラストレーターである姉とユニットKOODOO(クズー)を立ち上げる。
2004年から東京でvivo stained glass worksをスタート。
現在は工房を横浜にかまえ創作活動中。

シンプルでいて存在感のあるもの
時間が経って色褪せても味がでるもの
日常に気軽に取り入れたくなるような
誰かに贈ってあげたくなるような…
今まで目にしてきた物から発見し
今まで目にしてきた物ではない何か、を作りたいと思っています。

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