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山田 洋次 Yoji Yamada 20世紀の始めに英国から日本へ渡ってきたスリップウェア。その起源をたどれば紀元前にまでさかのぼります。英国の伝統的なスリップウェアと日本らしさの融合。信楽で生まれた現代のスリップウェアを毎日の暮らしの中でお楽しみください。
インタビュー interview ご自宅でお話しをお伺いしました。
−日本ではあまり馴染みのないスリップウェアですが、制作を始めたきっかけはありますか。 2002年ごろに大阪民芸館で行われたスリップウェア展のポスターを見て、そこに人の日常の気配を感じる佇まいに魅了されました。信楽窯業試験場で小物ロクロの研修生になり初めて土を触り、働きながら勤務時間後にろくろの練習をし陶芸の基礎を徹底的に学びました。スリップウェアとは… 産業革命前のヨーロッパなどで見られた陶器の一種。器の表面をスリップと呼ばれる化粧土で装飾した器のこと。 −渡英して、ソーダ釉を学ばれたとのことですが、英国での経験が作品にどのように影響されて いるのでしょうか。 ロンドンでLisa Hammondという陶芸家のアシスタントとして一年間仕事をしていました。土の準備、釉薬の調合、Functional wareと呼ばれるマグカップなどの定番商品の製作から犬の散歩まで。 同居して、朝昼晩と三食を共にしていました。スリップウェアは渡英する前から興味を持っていたので、深く追求したい思いはありましたが、癖がついてしまうのが嫌で、スリップウェアに関してはあまり人に習うことはしませんでした。スリップウェアの作家さんの工房へ伺ったり、今は動いていない工房や窯、英国の景色や雰囲気を直接肌で感じる事ができたことが、大きな経験になりました。−とても濃密で貴重な時間を過ごされたのですね。 渡英での様々な経験が今の作品に反映されているように感じられます。 帰国してスリップウェアを始めた事は、英国からの影響が大きいです。渡英前にはスリップをすると決めていたわけではなかったので。器から感じ取ってもらえたなら嬉しいです。 −現代に合うスリップウェアとして意識していることはありますか。 スリップウェアという言葉は以前より認知されていきたと思いますが、僕が作っているのはJapanese slipwareで英国のslipwareとは素材的には違うものです。普段使いの器に日本人らしさが出せればと思っています。毎日の生活に気軽に取り入れてもらえると嬉しいです。 −ご自身が“くらし”を豊かにするために大切にされていること。ま た今後どのようなモノ作りをしていきたいか展望などあればお聞かせください。 よく寝て、よく食べ、よく働くことです!まだまだスリップウェアを技術的に突き詰められていないと思うので、新しいスリップウェアに対する解釈が表現できればと思います。将来的には今の定番の器を基礎にして、窯元のような集団で仕事ができるようにしたいです。

工房の写真と制作行程 信楽の山々と美しい自然に囲まれた工房兼ご自宅にお伺いして、制作風景を拝見させていただきました。

萩原 千春 Chiharu Hagihara
山田 洋次  Yoji Yamada
1980年 滋賀県東近江市生まれ。信楽にて陶芸を学ぶ。
2007年 渡英。Maze Hill PotteryにてLisa Hammondに師事。soda glaze(ソーダ釉)を学ぶ。
2008年 帰国後、信楽にて制作
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