Fillyjonk フィリフヨンカ

フィリフヨンカ インタビュー
フィリフヨンカ インタビュー
10年後も楽しくつくっていたい

──10年間の実りを祝う収穫祭

10年間の実りを祝う収穫祭

2020年1月に活動10周年を迎えます。私たちは1年を1シーズンとしてテーマを設定しているので、今シーズンはこれまでの実りを表す「Harvest」にしました。現在Showcase(スパイラル1F)で開催中のイベントでは、収穫の喜びを祝うオリーブのリース「wreath」、長い年月を経て実る「kaki」、実りへの感謝のイメージ「inaho」をモチーフにした新作を発表しています。


そして今回はもう一つ、私たちの基本に還るという意味で、Fillyjonkの代表的なモチーフである「家」を一点物として作る「100 house」を企画しました。ブランドを始めるきっかけが「家」をモチーフにしたリングを共同で作ったことでしたし、初期は一軒ずつ全て手作業で作っていたので、初心にかえる意味も込めて100軒を彫り上げようと思ったんです。[1] 今年の5月から制作を始めました。どれもこれまで私たちが目にした印象的な建築物の屋根や窓、美しいと思った外観の記憶を引き出して組み合わせたものです。同じ様に見える家も、バランスが異なったりして一つとして同じものはないんです。

10年間の実りを祝う収穫祭

10年間の実りを祝う収穫祭

10年の活動期間を経て、制作の技術が上がってより細密でゴージャスな家が作れるようになっていることに気がつきました。それに、例えばピアスなら、この10年間で目にした様々な形の耳の記憶があるので、モチーフのサイズや向きもどのくらいだと着用した時に映えるか見当がつくようになったことも、長い活動あってだなって改めて思います。

今回から1年かけて、Fillyjonkのイベント会場でお買い物をしてくださった方に、これまでの感謝の気持ちを込めて、スタンプカードをお配りしています。[2] 全て集めてくださった方にはとプレゼントも用意しているんですよ。私たちは「架空の国の物語」をブランドのテーマにしているので、スタンプカードもFillyjonk国が発行するパスポートの形なんです。かなり細部にもこだわって作ったので是非見ていただきたいですね。


──ずっと大切にしていること

ずっと大切にしていること

これは兼森が話していたことなのですが、Fillyjonkのものづくりでずっと大切にしていることの一つに「力技(ちからわざ)」があります。手作業が多く、製造の効率が度外視されているデザインだけれど、多少強引にでも継続して量産していこうという姿勢のことを私たちは「力技」と呼んでいるんです。売ることを重視したマーケティングの視点からは逆行しているとは思うのですが、良いものをつくるために時間とエネルギーをつぎ込むクラフトマンシップはきっと美しいものに結実するはずですし、その方がお客様に喜んでいただけるものができると信じています。
私たちも「力技」で制作をしていて、途中で苦しくなってしまうぐらいのこともあるけれど、実際に完成したものを前にすると、「やっぱりやって良かったな」って心の底から思えるんです。私たちのこうしたものづくりへの考え方に共感し、応援してくださる沢山のお客様がいらっしゃるので、ここは手を抜きたくないところですし、それがFillyjonkの持ち味なんじゃないかと思っているんです。


石選びについても私たちならではの方法をとっています。模様や結晶がユニークものなど、魅力を感じる天然の石を原石の状態で手に入れて、その個性を生かした最小限のカットを施します。土台はその石の魅力を最大限に引き出す方法を検討して選ぶので、石を中心にした考え方ですね。完成したアクセサリーを見ていると、おしゃれなニューヨーカーから買い付けた石や、熟練した職人さんから手に入れたものだとか、制作していた楽しい時間を思い出します。

ずっと大切にしていること
10年間の実りを祝う収穫祭

嬉しいことに、私たちのイベントでは会期中に何度も足を運んでくださる方や、じっくり一点一点ご覧になってくださる方が多くいらっしゃるんです。ご自身の思い出を投影されたり、私たちがモチーフや石にまつわるお話をさせていただいたりする中で、心の中に架空の国の物語が生まれるのかもしれません。
これからもFillyjonkへの旅を楽しんでいただく時間も含めたご提案をしながら、また新しい10年、そして20年に向けて進んでいきたいと思っています。


インタビュー・文 スパイラル



[1] 一点物
型は硬さや粘りの違う蝋を素材にしてモチーフの形を作り、そこから石膏型をとり金属にする「ワックスキャスト」という技法で制作。型を取る過程で原型にあたる蝋は流れ出て、その型にシルバーを流し込んだ後は、石膏部分を割るので原型は無くなってしまう。

[2] スタンプカード
Fillyjonkのイベント会場(オンラインストア等は対象外)で10,000円以上ご購入の方に、各会場限定の図案によるスタンプを押印してもらえる。5つスタンプを集めるとアトリエ・ショップで使える20%オフチケットとして使える企画。さらに8種類すべてのスタンプを集めると記念品がもらえる。

■ 開催概要
Fillyjonk 10th Anniversary Exhibition “収穫祭”
会期:2019.12.16(mon.) -23(mon.) 11:00-20:00
会場:Showcase(Spiral 1F)

■過去の記事
Creator’s File vol.38 Fillyjonk インタビュー▶ 「架空の国の物語が生まれるアトリエへ

アイテム紹介