Creator's File vol.22 | kata kata

物語のような独自の世界観が広がる「kata kata」のテキスタイル
オリジナルの染布を制作しているデザイン・ユニット「kata kata」。
モチーフとなるのは日々の生活の中で感じる全ての事柄。動物、昆虫、植物、風景…それら全てに物語を想像し、デザイン・制作をしています。
布を広げた時にものがたりを想像し、温かい空気を生みだすような素敵な世界観の注染手ぬぐいなどをご紹介します。


「kata kata」は松永武さんと高井知絵さんとでなるデザイン・ユニット。
お二人で学生時代から活動されています。
「kata kata」のネーミングは「型染め」から。
自分たちの世界観が型染めなら表現できると発見し、一方で型染め自体の産業は工程の多さの割に生産性が少ないので廃れつつあることを実感。
その中で自分たちは日本伝統の技術の型染めを使って、生活の身近なものを作っていきたいと思ったのが現在の活動につながっています。



学生時代から自分たちで描いたデザインを布地に落とし込んで、布ものを作る事を一貫してやってみたいと考えていて、大学のテキスタイル科で色々な技法を学んだが、織物、シルクスクリーン…どれも上手く染められれず。
自分の表現したいやり方がつかめずモヤモヤしていたときに、型染めを生業にしている人(高井さん父)が身近にいて、手ほどきを受けながら型染めをやってみたらとても上手く染められて自分の表現したいものができた。
それまで、父が何か染物をやっているというのは知っていたけれど、大学で型染めという技法を学んで初めて、父がやっているのはこれだったんだと知りました(笑)。
ある程度生産数が取れて、一枚の絵としても、そのままパターンとしても捉えることができる独特の寸法で世界観を作っていくことが魅力です。
手ぬぐいという大きさを選んだのは、値段も手ごろで皆が手に取ってくれるようなものを作りたかったから。
これからも出会った人や縁を大切にして、その中で作品を生み出して販売していきたい。

型染めは日本の伝統的な染色技法で、染め上がるまでには多くの工程を必要とします。色を何度も重ねて染めることにより色味が濃くしぶいのが特徴で、刷毛染めのため裏表があります。てぬぐいの一般的な染め方ではありませんが、細かな色さしを楽しむ事ができます。
「kata kata」では下絵のデザインから染め上がりまで、アトリエで一枚一枚手仕事で作られています。


注染は日本独自の染色技法で、表裏全く同じ色に染色でき、染料のにじみや混合によるぼかしを活かして、雅趣豊かな深みのある多彩な染色が特徴です。
「kata kata」では、浜松の染め屋さんの手により染色されています。 依頼の際にも、全て一度型紙を彫って型染めを行い、色パターンのサンプルを作ってから、製作指示を出しています。色のぶつかり具合や滲み具合が予め想像できるし、色同士の相性も分かるのが強み。
kata kataのデザインを心得てくれている職人さんにより作られています。


北欧生まれのスポンジワイプです。
片手でしぼれる手軽さで、吸水性・速乾性が高く羽毛立ちしないため、台フキンや食器拭き、水切りマットなどキッチンで毎日活躍します。
暮らしに彩りを添えてくれる、実用性とデザイン性を兼ね備えた日用品です。


大きな和紙染めの額絵です。
和紙に特殊な染めを施した動物モチーフは、型染めや注染といった知識・技術・経験すべてを必要とする日本の染め物技術を用いて製作。多くの工程を手作業で丁寧におこなっていくことで、奥行きが生まれ、品格が宿ります。
手間をかける事でしかうまれない表現を大切にしているkata kataならではの作品です。















kata kata
モチーフとなるのは日々の生活の中で感じる全ての事柄。動物、昆虫、植物、風景…
それら全てに物語を想像し、布を染めることは私たちにとって大きな楽しみです。
Profile
1980 松永 武 熊本生まれ 茨城育ち1982 高井 知絵 静岡生まれ
2004 オランダ ロッテルダム芸術アカデミー短期留学・kata kata として活動スタート
2005 共に東京造形大学テキスタイル科卒業
2014 東京都調布市にアトリエショップをオープン