土の個性に想いを練り込んで 藤居奈菜江の器2017.12.28

こんにちは、オンラインストアスタッフです。
2017年もあと少し。今年もスパイラルオンラインストアをご愛顧いただき誠にありがとうございました。

本年最後のブログではまず、私が今年一番感動したこちらの動画からご覧ください。

さまざまな土を重ねて組み合わせる「練り込み」という技法を用いて作られる陶器作家・藤居奈菜江さんの器。
蹴ロクロによる独特の手作業の温度をはらんだ仕上がりとなります。

練り込みは工程数も多いことなどから、食器として作陶・販売されることは少ないのだそう。
そんな中、藤居さんの偶然の好奇心がきっかけで日常使いの器が生み出されることになりました。
制作時の藤居さんの真摯なまなざしからは、一点一点の器が使われる空間や時間、使い手への想いが感じて取れます。

藤居さんの作品づくりは、種類によって特性が違う土を何種類もこねて重ねあわせるところから始まります。
収縮率、火に対する強弱や伸び方の違いなどさまざまであるため、ひとつにまとめるということは難しいところもあります。
しかし、ひょんな好奇心から食器として使っても丈夫であるということが分かったため、現在の藤居さんの作家活動のありかたに繋がったのだそう。

成形する過程で、土をまとめてからロクロで挽き表面を削る時、内側から模様が見えてくるときがワクワクするという藤居さん。
顔料をほとんど含んでいない土を使うため、素材そのものの色合いが造形によって偶然活かされることになります。

仕上がった作品は色彩のコントラストが鮮やかで大胆なものから、微妙な色合いの違いが同居する白いものまで多様。
その時々に使用する土が採れた自然の状況などによっても仕上がりが違うのだそうです。

藤居酸の作品をまずは気軽に手に取りたいという方に、
≫練り込み 箸置き(3色)

形はシンプルですが、ストライプ状に重なった土の色合いの存在感があります。

奥の器は
≫練り込み 小鉢(4色)
表面から絵付けをしたように、滑らかに土の色が器を包みます。

練り込み カフェオレボウル(「黄」のみお取扱い)
練り込み カフェオレボウル(「黄」のみお取扱い)

やさしい黄色と、女性の手のひらにもすっぽりなじむサイズ感のカフェオレボウル。
カフェオレの他にコーヒーなど、中身も調和する色合いです。

練り込みミルクピッチャー(3色)
練り込みミルクピッチャー(3色)

先月入荷したばかりのミルクピッチャー。くちばしのような注ぎ口も愛らしい品です。
「白」は色のコントラストが淡いのですが、つるっとした土と粗い土、2つの異なる表情が品よく同居しているので個人的にとてもおすすめです。


同じ色・かたちの品を複数手に取ると分かるのですが、個体差があり、しっかり作家が自らの手で想いを込めて作っていることが実感できます。
スパイラルマーケット店頭でのお取扱いはなく、貴重なオンラインストア限定商品です。ぜひご覧ください。


本年もありがとうございました。
来年もスパイラルオンラインストアをどうぞよろしくお願いいたします。