岩江圭祐 いわえけいすけ／Aging Watch

用途ばかりにとらわれない、
美しくもちょっと可笑しな存在として使い手に寄り添う「要具」たち

若手作家の発掘・育成・支援を目的として2000年から開催している公募展形式のアートフェスティバル「SICF（スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル）」。
2021年に実施された第22回では、新たにMARKET部門を創設。第一回のグランプリには、アーティスト・岩江圭祐が選出され、去る4月29日～5月8日の期間、スパイラル1Fのエントランスにてグランプリアーティスト展が開催されました。

岩江圭祐は、本体部分が銅や真鍮でできた文字盤のない腕時計や、使いかけの石鹸の形をしたアルミニウムのオブジェなどを制作。
一見すると用途がわからないこれらの作品は、経年変化によって使い手とともに刻む特別な時間を可視化したり、それを持つ者の手をそっと慰めてくれます。
岩江が生み出す作品たちは、機能的な側面が評価されがちな、ものに対する価値観に疑問を投げかけると同時に、使い手の心を沸き立たせ、日々の生活に喜びを与えてくれます。

針も文字盤もない腕時計。
この時計ができるのは、金属の経年変化を通して時間を“記憶する”こと。そして、あなたとともに”歩む”こと。
数値で計ることのできない、質的な時間を示してくれます。
正確な時間を知るに困らない現代で、あなただけの時間を持ち歩いてみてはいかがでしょうか。

≫「SICF22 グランプリアーティスト」
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