COLUMN
1年の終わりに
寄り添う土鍋
2021.12.17
1年の終わりに寄り添う土鍋

激動の2021年がようやく幕を下ろそうとしています。
昨年から引き続き、荒れ狂う波のような情勢の中、新たな暮らしを模索しつづけた日々。
まだ油断はならないですが、誰しも道の先に、少しだけ光を見出し始めているような気がします。
この1年を乗り切った、自分自身や大切なひとに、優しく寄り添う鍋料理とお酒で癒しの時間を贈りませんか。
年末から年明けにかけての慌ただしい日々の中でも、土鍋生活を楽しむ3日間を綴りました。

1年の終わりに寄り添う土鍋

・12月19日

本格的な冬の到来で、日に日に冷え込みが厳しくなる。
もうすぐ冬至だ。
朝は鼻の奥がツンとするほど冷たい空気だけれど、ホカホカの肉まんを蒸すことを楽しみに、
えいやっと布団を抜け出すのが、冬のお決まりになっている。

1年の終わりに寄り添う土鍋

艶々のキャラメル色とぽってりした形が気に入っている、蒸し小鍋を出す。
水を200ml程度入れて火にかけ沸騰したら、陶製のすのこの上に肉まんを並べてフタをして数分待つ。
そろそろかなというところで火を止め、フタをあければもうもうと湯気が立つ。

1年の終わりに寄り添う土鍋
1年の終わりに寄り添う土鍋

▴ 長谷園 /蒸し小鍋

蒸したての熱さに耐えつつ、ホカホカの肉まんを割ってはふはふ言いながら食べるのは冬の醍醐味。
電子レンジで温めるよりも、べたつかずに全体に火が通りふっくら仕上がる気がする。
お好みでからし醤油をつけてぜひ。

冬の夕暮れは驚くほど早い。
すっかり暗くなった17時ごろ、ちょっと早いけれど夕食の支度を始める。
具材を切って煮るだけの鍋料理は寒い時期の夕食の大定番だけれど、頻繁に食卓に上がるので少し飽きてしまった。
せっかくだから、作ったことのない鍋にトライしてみようと思い、「明太とろろ月見鍋」に挑戦してみる。

1年の終わりに寄り添う土鍋

出してきたのは「かまどさん 3合」。
これはかまどで炊いたようなふっくらとした美味しいごはんが炊ける炊飯土鍋で、
初めて食べた時に衝撃を受けてからずっと愛用しているもの。
一度食べたらもう炊飯器のご飯に戻れないくらい、美味しいごはんが炊けるのだが、今回は鍋用の土鍋として使う。
保温効果が抜群なので、食卓でも熱々の状態が長く楽しめるのだ。

1年の終わりに寄り添う土鍋
1年の終わりに寄り添う土鍋

▴ 長谷園 /かまどさん 三合炊き

鍋つゆに白菜やきのこなど具材を入れて火にかけ、良い具合に火が通ったら明太子を贅沢にこんもりのせる。
すりおろした長芋を、全体を覆うようにたっぷりかけたら、仕上げに真ん中に黄身を落とし、彩りにネギを散らす。
見た目も華やかな、新しい鍋が出来た。

1年の終わりに寄り添う土鍋
1年の終わりに寄り添う土鍋

わくわくしながらかまどさんを食卓へ運び、お気に入りのホルムガードのグラスにビールを注いで乾杯!
このグラスはシンプルなデザインだけれど足つきで少し贅沢な気分にしてくれるところが気に入っている。

1年の終わりに寄り添う土鍋

▴ HOLMEGAARD/STUB
グラス 210ml 4pcs

黄身を割ってとろろと絡めながら一口食べれば、やさしい出汁の味わいの中に、
たらこのプチプチした食感がアクセントになっていて新鮮。
これは定番メニューになりそう。
熱々の鍋とキンキンに冷えたビール、大人のための最高の楽しみだ。

1年の終わりに寄り添う土鍋

・12月28日

何とか今年も無事に仕事を納められ、時計を見ると22時過ぎ。
外で祝杯を挙げたいところだけれど、この寒空の下今から出かけるのは億劫で、家にあるものでバル気分を味わおうということに。
遅い時間だから手間をかけず、でも気分があがるものを…と冷蔵庫の中を物色していたら、お刺身と目が合う。
チーズやソーセージも発見したので、これはばっちりと思い、いぶしぎんミニを出してくる。
これは自宅でスモーク料理が楽しめる燻製用土鍋なのだ。

1年の終わりに寄り添う土鍋
1年の終わりに寄り添う土鍋

まずは鍋の底にアルミホイルをセットして、その上に付属のサクラチップスを広げ、受け皿のような形にしたアルミホイルのせる。
2段の網に、今日はえび、ほたて、サーモン、ソーセージ、チーズをセットして火にかける。

1年の終わりに寄り添う土鍋

長谷園/いぶしぎん ミニ

しばらく経つと煙が出てくるので、フタをして溝に少量の水を注いで数分待てば、あっという間に燻製の出来上がり。
フタをあければふわっと芳しい香りが鼻をくすぐる。
はやくお酒と合わせてつまみたい気持ちに拍車がかかるが、ぐっとこらえてもう一品時短料理を作る。

1年の終わりに寄り添う土鍋

皮をむいたじゃがいもを、電子レンジで竹串が通るぐらいの柔らかさになるまでチンしてスライスしたら、
オリーブオイルを塗ったキャセロールマインに敷き詰めるように並べる。
その上にレトルトカレーをかけて、カレーが見えなくなるくらいたっぷりのチーズで覆ったら
真ん中に卵を一つ落として、トースターにセット。
我が家はオーブンが無いので本格的なオーブン料理は出来ないのだが、
キャセロールマインは浅型なので、トースターに入れて焼けるところがとても重宝している。

1年の終わりに寄り添う土鍋
1年の終わりに寄り添う土鍋

▴ 長谷園/キャセロールマイン

しばらく経つとぐつぐつとチーズが踊るように波うち、香ばしい香りが漂いだす。
チーズカレーポテトグラタンの完成だ。

1年の終わりに寄り添う土鍋

▴ 長谷園/蒸し小鍋

あとはさっぱりした蒸し野菜が食べたいなと思い、蒸し小鍋にキャベツやトマトなどをセットして、火にかけたらあっという間に完成。

1年の終わりに寄り添う土鍋
1年の終わりに寄り添う土鍋

▴ HOLMEGAARD/STUB
グラス 210ml 4pcs

ホルムガードのグラスにシャンパンとサングリアを注いだら、宴にふさわしいテーブルセッティングをする。
植物やキャンドルを散らすだけでもグッと気分が上がる。

1年の終わりに寄り添う土鍋

今年もなんとか駆け抜けたなあと、穏やかな疲労感に包まれながら乾杯。
今日作ったものは、どれも具材をセットしたらフタをして火にかけたりトースターにいれるだけなので、仕事後も作れる。
この1年よく頑張ったよね、と言い合いながら食べて飲んで、ほっと心がゆるむ時間。

1年の終わりに寄り添う土鍋

・2022年1月1日

2022年がついにスタート。
日付が変わるまで起きていたのでちょっと遅めに起床する。
実家で母が数日かけて作ってくれていたような立派なお節を自分で作る体力はなく、
ここ数年は、黒豆や栗きんとんなど好きなおかず数種類を購入してつまむぐらいが関の山。
それでもなんとなくお正月気分を出したくて、母が譲ってくれた漆塗りのお盆やお椀を引っ張りだしてくる。
意外と、この瞬間がなによりも1年月日が巡ったことを実感させてくれているような気がする。

1年の終わりに寄り添う土鍋

▴ 東屋 /印判箸置き

1年の終わりに寄り添う土鍋

▴ 東屋 /印判そば猪口 上ゲ高台

呉須の模様が可愛い小さなそばちょこと箸置きも合いそうと思いセット。
即席だけれど想像以上にお正月らしい食卓になって大満足。

さて、2022年はどんな一年になるでしょうか。
何より願うのは、健康に日々を過ごすことが出来て、美味しいものをしっかりと味わえること。
一人でも、友人や家族とでも、好きなお皿にのせて食卓を囲む時間を楽しめること。
この数年のように、2022年もどんな年になるかわからないけれど、
日々を駆け抜けることに疲れたら温かい飲みものでひとやすみして、旬の食材で料理をして。
その時々の時間を味わい尽くしていきたいですね。
皆さまの、食にまつわる時間が滋味豊かなものでありますように。